最近、大ブームの若返り成分「NMN」ですが、「NAD+」という補酵素が変換したもになります。「NAD+」はビタミンB3から作られるため、トマト、ブロッコリーなどの食べ物からの摂取が可能です。
しかし1日の必須量は約100㎎以上なので、トマトであれば300個程の摂取が必要となるため、食べ物からの摂取は理想とは言えません。
前回、最近よく聞くNMNとは?で説明させていただいた「NAD+」なのですが、今回のブログでもう少し詳しく解説させていただきます。
❑ 40代でNAD+は50パーセント減る!?
NAD+(エヌエイディー)はイギリスのノーベル化学賞を受賞した、アーサー・ハーデン(1865年10月12日 – 1940年6月17日)によって1906年に発見されました。
NAD+そのものは、すべての生命体のエネルギーを作り出す時に必要不可欠な補酵素で、加齢により減少していきます。
その減少の程度は、20代に比べて50代ではなんと50%も少なくなっていて、これが老化の原因の一つとも言われています。
でも、それだとNMNではなくNAD+を直接摂取した方が良いのでは?と、多くの方は考えがちですが、NAD+は消化間で分解され、直接摂取することが難しい成分です。なのでNAD+ではなく、NMNを摂取します。
❑ NMNは食べ物から摂取できるのか?
あらゆる生物や動物、植物にもその細胞にNMNは存在しています。そして、私たちの体は体内でNMNを作っていて、口からNMNを摂取する場合はかなりの量を摂る必要があります。
例えば、NMN100mgを摂取するために必要な量を野菜などに換算しますと、↑の写真のようになります。
このように食物からNMNを摂取する場合、たいへんな量を必要とするため、現状ではなかなか大量生産が難しく、今後の課題でもあります。
また、NMNの安全性についてですが、私たちは体のなかでNMNを作っています。そして、NMNは人工的に合成された科学物質ではありませんので、安心して体内に取り入れることができるます。
❑ NMNのどんな研究が行われているのか?
NMNの研究が始まって十数年が経ちますが、マウスなどの動物を使った実験ではかなりの成果が出ていて、NMNを1年間投与すると明らかな抗老化作用が確認でき、加齢に伴う幅広い病気、糖尿病、アルツハイマー、動脈硬化症、眼の疾患などが改善することがわかってきています。
例えばNMNを摂取した接種群と、NMNを接種しなかった対照群を比べると、高脂肪食の食事を食べさせた場合、対象群に比べて接種群では体重増加が抑制できました。
また、血管の状態が衰えた老齢群にNMNを投与した結果、動脈の柔軟性が若齢群と同じぐらい改善されたりすることもわかりました。
ここ数年で、人に対する臨床試験も実施され始めていて、最近では、人に対して安全であるということも明らかになり、疾病リスクが改善される可能性が期待されています。
最近の研究結果を見ると、動物実験ではなく、人での実現が近い将来可能になってきています。そうなれば、老化という考え方そのものが変わるかもしれません。