フランスや日本にご長寿の人々が多いのはなぜでしょうか?
気候?風土?食文化?…うーん、どれも関係がありそうですね。
長生きの国をなんとなく想像してみると、穏やかな人々が自然豊かな場所で、のんびりと日向ぼっこでもしているイメージでしょうか。
そう考えると、長寿と食生活や気候はどうしても切り離せない関係のような気がします。
今回は、世界で最も長生きした人々のライフスタイルに目を向けて行きたいと思います。
❑ 122歳まで生きたジャンヌ・カルマンさん
フランスのジャンヌ・カルマンさんは、1875年2月21日から1997年8月4日まで、122年間生きました。 私が1977年生まれなので、もし122歳まで生きるとすれば、2099年まで生きることになります。とてもじゃありませんが、想像できない数字ですね。
そして彼女のライフスタイルは、寿命を押し上げるいくつかの強い側面があったようです。
ジャンヌ・カルマンさんは、ゴッホの絵で有名な南フランスのアルル地方で、とても裕福な家庭に生まれ育ちました。
上流階級の彼女は働く必要がなかったので、買い物、掃除、洗濯、その他の雑務はすべて家政婦さんがやって、彼女は20歳で結婚するまで、芸術、料理、ダンスのプライベートレッスンなどを受講していました。
カルマンさんは「122歳までタバコを吸い続けた」と言われていますが、実は人生の前半ではタバコは吸っておらず、人生の後半で吸い始めたけど一度は禁煙して、112歳からまた介護施設でタバコを吸いはじめ、亡くなるまでの122歳まで喫煙を続けていたそうです。
当時フランスのブルジョア階級では、 女子が結婚前に喫煙することは許されていなかったようです。そして結婚後も、仕事というよりは、社会活動やイベント、社交パーティ、旅行などに精を出していたそうです。
ひょっとすると健康で長生きする秘訣は、面倒な仕事や嫌なことから逃れることかもしれませんね。
❑ 地中海式食事法が長寿の秘訣
長寿の多い南フランスなどで、積極的に取り入れられている食事法が、この「地中海式食事方」です。
長年、この食事療法は一般的に推奨されたうえ、今日の研究成果で、心臓病や2型糖尿病などの重篤な状態を発症する可能性を減らすことが分かりました。
地中海式食事法では、赤身の肉、乳製品、お菓子の消費を制限しながら、果物、野菜、全粒穀物、健康的な脂肪、魚介類を優先的に食べます。対照的に、他の国では「人々は脂肪と塩分を摂りすぎている」と言われています。
地中海式ダイエットを実践することで最大限の利益を得られるように、心に留めておくべきことがいくつかあります。
- 新鮮な果物と野菜(じゃがいもは非推奨)、豆類、全粒穀物、ナッツや種子を普段の食生活に習慣的に取り入れること。
- 使用するオイルは、オリーブ、キャノーラ、ヒマワリ, アボカド, ゴマ、ブドウ種子、クルミ油などが良い。
- 加工された肉類や赤身肉は控え、鶏肉や魚介類は積極的に食卓へ。
- 乳製品は、プレーンヨーグルトとナチュラルチーズを取り入れて、卵はときどき食べ、全脂肪乳製品やアイスクリーム、 砂糖入りの飲料水はほとんど摂らない。
- 塩分は控えめにする。
- 家族や友人と楽しみながらゆっくり食事。適度な運動を心がける。
❑ ご長寿大国の特徴は?
多くの方は、世界最高齢を多く輩出しているフランスや日本は、「いったい健康を維持するために何をしているのか?」を疑問に思うかもしれません。
長寿を研究している専門家によると、特定の要因が重なって、フランスや日本から100歳を超える「超高齢者」が多数存在しているようです。
まず、フランスや日本は教育がほとんど無料です。より多くの教育を受けている人は、健康的で長寿を促進する食品と、どのような運動を行うべきかについて、積極的に調べたり、よりよく理解している傾向があります。
このように教育は、人々により一層健康的な生活を促進したり、人々の平均寿命を延ばすのに役立ちます。
また、フランスは医療費が無料です。興味深いことに、医療費が無料の国、フランス、日本(国民皆保険)、デンマークなどは、平均寿命が最も長い国でもあります。逆に、英国、オランダ、米国など医療費が高い国では、平均寿命が短くなっています。